伝統的七夕ライトダウン2012キャンペーン

なぜライトダウン?

光をコントロールできる社会に

みなさんは、キャンプ場や旅行先で見た星空がいつもよりも美しいと思ったことはありませんか。 また、郊外や山奥の天文台を訪れて、天体観察を楽しんだという経験のある人も多いかと思います。 その一方で、私たちが日々の生活を送っている中で『星』に心を傾けた事はありますか。 キャンプ場や山奥の天文台と違って、星という存在に注意が向かなくなる程、街において星空は見えにくくなっています。 これはなぜなのでしょうか。 実は私たちが夜の街を明るくするために使っている照明が、知らず知らずのうちに夜空を照らしているからです。

人工衛星から夜の地球を撮影した写真がここにあります。 東京・名古屋・大阪などの大都市を中心に、日本列島の形がくっきりと浮かび上がっていることがわかります。 日本がこのように明るく輝いているのは、夜空に向かって輝いている照明がおもな原因です。 地球を飛び出した光は、何かの役に立つこともなく、ただ宇宙空間に向かって放出されていきます。 この浮かび上がった日本列島の形は、 コントロール出来ずに上方に放出されたエネルギーが目に見える形で現れた結果とも言えます。 もったいないですよね?

実は、意図して夜空を照らしている照明はほとんどありません。 例えば、照明の向きが不適切だったり、 必要なカサが取り付けられていなかったりといった理由で必要とされていない光が夜空に向かっています。 夜空に向かって飛び出した光は、そのほとんどが宇宙空間に飛び出して行きますが、 その一部分は大気中のチリや水蒸気に散乱されて、夜空を明るく光らせています。 この光が邪魔をして、街中では星空が見えにくくなっているのです。


日本の星空は?

環境省は日本の夜空を20年以上にわたり継続的に調査し続けています。 その結果を見ると、夜空の明るさは徐々に増す傾向を示しています。 また夜空の明るさを地域の利用別に見ると、商業地域が最も明るく、 住宅地、工業地帯の順に暗くなっていることが分かります。 照明の効率的な利用のためには、商業地域において屋外広告などの漏れ光を少なくすると同時に、 一般家庭でも遮光カーテンの利用や、不要な屋外照明の消灯などで照明を効率的に利用できると考えられます。

次に、夜空の明るさの時間変化を見てみましょう。 街と星空の共存を目指した活動を展開している星空公団(http://www.kodan.jp/)では、 夜空の明るさの時間変化を測定しています。 その結果、市街地の夜空の明るさは夕方が最も明るく、明け方が最も暗くなっていることが分かりました。 自然のリズムを考えると、夜空が最も暗くなるのは真夜中前後となるはずです。 夜空の明るさは、人間活動によって大きく影響を受けているということが、この結果から明らかになっています。


ライトダウンで夜空を暗く

ライトダウンによって日本の夜空を暗くすることはできるのでしょうか。 その答えのヒントは星空公団が測定した、昨年末から東京都内の夜空の明るさの連続測定データの中にあります。 日によって多少変化はするものの、ほとんど一定であった夜空の明るさに大きな変化が見られたのは、 3月11日の東日本大震災以降でした。 この日から数日後を境に、夜空の明るさはそれ以前の60%程度まで減少しています。 これは節電の広まりにより、屋外広告などの照明が大幅に節約されたためです。 同様の変化は甲府盆地でも確認されています。 甲府盆地では、夜空の明るさと同時に市街地の街明かりを測定しており、3月11日以降それぞれ65%まで減少しています。 市街地の照明を減らすことで、夜空を暗くする効果が明らかになりました。

意図していない光をうまくコントロールすることで、照明をもっと効率的に使えるようになり、 人間の生活と星空が共存できるのではないかと私たちは考えています。